訪問レポート:2024年6月19日
こんにちは。展示会リポート編集部です。
タイにおいて工場関係の製造分野ごとにグルーピングして、設備などを展示した「MANUFACTURING EXPO 2024」が6月19日~22日にBITEC展示場で開催されました。本イベントは年1度この時期に開催されております。これはタイにおける製造業関係の3大展示会の一つで、THAI SUBCONとTHAI METALEXの中間的位置づけとなります。工程分野に特化したテクノロジーの紹介が主となります。
本展示会は8つの分野ゾーンに分かれます
フロアとしては、BITEC展示場の1階展示スペースの80%使用というイメージでした。
下の1階展示フロアレイアウトで、上図が2024年。下図が2019年(コロナ前)です。比較すると。ちょうど1区画分が減りました。(茶色が展示会に使用された区画)
入場者数は
2019年 | 96,000人 |
2024年 | 83,000人 |
これらゾーンに30か国から出展されております。(主催者発表)
筆者が主催者発行の「EXHIBITOR LIST」より抽出した出展 社を分野ごとにカウントすると1011ブースが出展し ておりました。
InterPlas | 266 |
InterMold | 107 |
AUTOMOTIVE MANUFACTURING | 128 |
SURFACE & COATINGS | 42 |
NEPCON | 209 |
ASSEMBLY & AUTOMATION | 242 |
FAC TECH | 17 |
Total | 1,011 |
この出展ブース数と筆者の現場感を述べますと
- プラスチック関係は材料の進歩(特に耐久性、寿命、リサイクル性の向上)そして需要(EVではプラ関係の減少幅は金属ほどではない)及び製造技術として維持が続いているので、関連企業のアピールの場として維持。
- 製造関係で良く言葉が飛び交うのは「PCB(基盤)は景気が良い」。ということでNEPCONブースが多かったことが特徴的。
- 工場の自動化ということではASSEBLY & AUTOMATIONは、活発に見えました。タイ企業として、タイ政府が推し進めようとしている「最低賃金アップ」に大きな警戒感をもっており、自動化は大小企業合わせて必至の状況です。ロボットや工程自動化に直接関わる設備、機械、ユニット等は、日本企業が中心であることを感じました
一方、目を引いたのはAGV(Automatic Guided Vehicle)関係でした。中国及びタイ企業が中心に出展しておりました。
日系企業(ほぼASSEMBLY & AUTOMATION)
基本日本企業製のみを扱う商社NANDEE社
日本企業製を多く扱う(主に切削工具)企業
唯一日本自治体のブースがあった「長野県企業」
この表示はインパクトがありました。
少々寂しさを感じたのは、前週に開催されたPROPAK ASIA 2024は通路にもブースが開設されておりましたが、(そもそも通路は通路ですが・・・)静かに人が行き来していた感じがありました。
総評
これまでのタイの発展を支えてきた自動車、自動二輪、電気電子関連製造業に関係する事業者の展示会として、本展示会もそれなりの地位を保ち続けていますが、グローバル経済及び地政学的問題もあり、関連製造業の大きな変化もあり、若干の勢いが陰っているのは現状です。但し、これも回復する事は見込まれており、そのボリュームとトレンドをとらえていくかの課題の中で、各社知恵を絞っています。
本展示会で感じるのは
- 先端技術は、やはり日本。大きな課題である「自動化」「省力化」「信頼性・安定性」のテーマについては日本企業は主役に見えます。ロボット関連、測定関連、内部構成ユニットなどは日本ブランドが主。
- 中国企業は、地政学的に「自社を守る」という観点では、中国から出なければならない、という強い意志もみられ、これまでの「あるだけのブース」から「積極的営業」を感じました。
- タイ企業は、やはり「取扱商社」が目立ち、日本製、台湾製、中国製設備の販売会社が多く出展していました。お互いのウィンウィンでの協力関係が取れれば、日本企業製の取扱も、大きな可能性があると思います。昨今、最も大きな要素は「円安」による「安価」も追い風になるでしょう。