訪問レポート:2024年6月13日
こんにちは。展示会リポート編集部です。
タイにおいてアセアン最大級の食品関係の加工・包装・梱包に関係する設備の展示会「PROPAK ASIA 2024」が6月12日~15日にBITEC展示場で開催されました。本イベントは年1度この時期に開催されております。食品(市場は極めて安価)関係なので、以前は、ローカル企業(商社中心)及び台湾、中国の設備メーカーが殆どで、洋食関係としてのイタリア、フランス企業が散見される程度の展示会でした。5年ぶりに入場しました。先月IMPACT Muang Thong Thani展示場で開催されたTHAI FEXに関連するものでもあり(THAI FEXが商品関連であり、PROPAKはその製造関連と考えるとわかりやすいと思います。)ビジターも多く、活況を呈しておりました。本展示会は8つのゾーンに分かれます。
これらゾーンに45か国から出展されております。筆者が主催者ウェブ上の「EXHIBITOR LIST」より抽出した出展社をカウントすると1400ブースが出展しておりました。そのうちの上位5か国は以下の通りでした。
1位 | タイ | 373社 |
2位 | 中国 | 263社 |
3位 | 日本 | 176社 |
4位 | イタリア | 95社 |
5位 | ドイツ | 69社 |
日本企業(第3位)の多さに少々驚きましたが、出展社に聞くと「円安」により価格競争力が出ていること。そしてタイは食品関連が活況なこともあり、協会が旗を振って積極的に出展アピールしているとのことでした。昨今の金属、非金属関連の日系企業の落ち込みとは対照的な活発さを感じました。日系の一部企業を写真で紹介しますと・・・
一般社団法人 日本包装機械工業会 会員企業出展
東京都中小企業振興公社 東京都企業出展
一般社団法人 日本食品機械工業会 会員企業出展
その他日系企業の一部
総評
B to Cに近いビジネスとして各社演出に知恵を凝らしているように思えます。またタイはアセアンの中であらゆる情報発信のメッカとしてもとらえられており、世界各国からの注目度が高い国です。本展示会もG7各国から、EUの小国から、南米ブラジルから、さらには国連関係機関のブースもあるなど、多種多様さを醸し出しておりました。
アセアン人口約6億人の生に関わる食品関連は経済には強く影響を受けにくいこともあり、その情報発信の場としてのタイが存在します。
また、タイとして中国企業というのが全体的にさらに注目されています。(最も顕著なのは車のEV、こぞってタイ工場建設中)本展示会でも中国企業が直接販売しようとしていることが強く感じられました。昨今あらゆる分野で中国企業がタイに進出してきております。中国人の長期滞在が急増しているのもうなずけますが、それに伴う諸問題が急増している現実もあります。
一方、「ものづくり」の信頼性としては、日本は再び注目され始めております。一般的に金属、非金属の製造は既に飽和状態ですが、食品関係は、そもそもタイでの食品の値段も安いということもあり、品質は良いが金額が高い日本社製は敬遠気味でしたが、この「円安」が追い風になっているのは確実です。これら日本企業製の食品関係設備がこれまでタイで大きく展開されてこなかった事からも、今後の市場性は期待できるかもしれません。