こんにちは。アジア・アライアンス・パートナーのバンブーです。
タイの主食はお米ですが、麺料理の「クイッティアオ」はタイの国民食と言われています。料理について簡単に説明すると、クイッティアオはタイ風のラーメンですが、日本のものとは異なり、麺やスープの種類がたくさんあり、「麺」+「具」+「スープ」を自分の好みで選ぶことができます。
自分の好みに合わせたラーメンを作ってもらうのがタイのスタイルです。クイッティアオのお店は、基本的に専門店であることが多く、屋台や食堂、フードコートなどで手軽に食べることができます。この記事では、クイッティアオの麺やスープの種類などを紹介します。
麺の種類
- センミー:米から作られる直径1mm以下の細い麺
- センレック:米から作られる直径1~3mmの中幅麺(パッタイによく使われます。)
- センヤイ:米から作られる1.5~2.5cmほどの太麺(他の麺と違い生麺を使用します。)
- ギアムイー:米から作られる、うどんを短く千切ったような形の麺
- バミー:小麦粉から作られる卵入りの黄色の麺(日本のラーメンとほぼ同じです。)
- ウンセン:緑豆粉とタピオカでんぷんから作られるタイの春雨
- センママー:インスタント麺
ス—プの種類
- ナムサイ:1番ベーシックな醤油味であっさりとした透き通ったスープ
- トムヤム:甘酸っぱいトムヤムクンに似たスープ
- エンタフォー:腐乳(豆腐を紅麹で発酵させたもの)入りピンク色のとろみのあるスープ
- ナムトック:牛や豚の血が入った味わい深いスープ
- トゥン:五香粉、八角などを使った中華風スープ
- ヘーン:汁なしラーメン(麺はバミーを使うことが多いです。)
※ お店にもよりますが、お好みでスープありのものをスープなしに変更することもできます。
具材の種類
- ルークチン:魚のすり身やお肉から作られるタイのつみれ
つみれ揚げとつみれ煮を売っているお店もあります。 - ギアオ:海老のすり身のワンタン
お店によって具材は異なります。 - ギアオ・トート:皮を油でカリっと揚げたワンタン
トムヤムやエンタフォーなどによく入っています。 - 豚肉・鶏肉・牛肉・鴨肉の煮込み:柔らかく煮込んだお肉
- 野菜:ねぎ・パクチー・もやし・空心菜など(野菜抜きで注文ができます。)
調味料
クイッティアオのお店の卓上には基本的に4種類の調味料が置かれています。注文したクイッティアオを好みの味に調整できます。また、調味料は地方によって異なる場合もあります。
上の画像の調味料を左から順番に説明しますと
- プリック・ナムソム(唐辛子入りのお酢):酸味と辛みを加えます。
- プリック・ポン(粉唐辛子):辛味を加えます。
- ナムターン(砂糖):甘味やまろやかさを加えます。
- ナンプラー(タイの魚醤):塩味と旨味を加えます。
タイには数えきれないほどたくさんの種類のクイッティアオがあります。この他にも地方によって様々なクイッティアオがありますので、その一部をご紹介します。
- クイッティアオ・クアガイ:下味をつけた鶏肉を、もちもちの太麺(センヤイ)や卵と炒めた麺料理です。イカなどのシーフードを入れるお店もあります。タイの淡口醤油やオイスターソースなどで味付けされた優しい味わいの、モチモチ、カリっとした食感の麺料理です。辛い味が好き人はチリソースをかけて食べるのがおすすめです。
- パッシーイウ:黒糖に似た甘みを持つタイの醤油「シーユーダム」で麺に味付けをし、最後にシーユーカーオ(白醤油)、ナンプラー、オイスターソースなどで仕上げます。パットシーイウの1番の特徴は麺の太さです。センヤイと呼ばれる極太の生米粉麺が使われます。具は豚肉と卵、カイラン菜とシンプルですが、シーユーダムを使うことで、単なる醤油焼きそばではなく、コクのある味に仕上がります。
- パッタイ:センレックを炒めた「タイ風の焼きそば」です。タイ料理特有の辛さがなく食べやすいことから外国人観光客にも大人気の料理です。鉄板で焼かれた香ばしさと野菜のシャキシャキ感、もっちりとした食感の平打ち麺、甘酸っぱいソースが特徴です。タイ料理はライムで酸味をつけることが多いのですが、酸味の中にも甘味があるタマリンドを使うことでパッタイの味がマイルドに仕上がります。エビやもやし、ニラ、卵、干しエビ、厚揚げを加え、ナンプラー、醤油、パームシュガーで味付けて、仕上げに砕いたピーナッツを散らし、ライムを搾って完成です。
- パッキーマオ:激辛タイ料理のひとつです。材料は野菜、センヤイという太いきし麺のような米粉で作った麺、ハーブ、もちろん唐辛子にエビやイカ、豚肉などです。これらをナンプラーやオイスターソースで味付けし炒めた麺料理です。使われる野菜の種類はお店によって様々です。辛さレベルも選べます。
- ホッケンミー:タイ南部にあるプーケットの名物料理です。ホッケンミーは漢字で書くと「福建麺」で、プーケットは錫の産地で有名ですが、発掘のために移住してきた中国人が福建麺(ホッケンミー)を作ったのが始まりといわれています。ホッケンミーはマレーシアでもよく食されていますが、マレーシアはオイスターソースで太麺を炒めた真っ黒な焼きそばのような料理で、プーケットのホッケンミーとは味も見た目もまったく違います。プーケット風は少量のスープで豚肉やシーフードと太麺を炒めた、ラーメンと焼きそばの中間のようなスタイルが特徴です。
- パットミーコラート:通称「コラート」とよばれる、ナコンラーチャシーマー県で広く食べられている料理です。センレックという麺を使うので、見た目はパッタイに非常によく似ています。パッタイはエビやもやし、ニラ、卵、干しエビ、厚揚げを具材にして、ナンプラー、醤油、パームシュガーで味付けをしますが、パットミーコラートとは違いがたくさんあります。
パットミーコラートには、独自に作った米麺を使い、エビや卵は入れず、代わりに鶏肉や豚肉を使います。また、シーユーダム(黒蜜のように甘くて濃厚な醤油)というタイの醤油で味付けしていますので、通常のパッタイよりも甘みが強く濃厚な味わいが特徴です。
最後に
クイッティアオの魅力は、種類が豊富な点と好みに合わせてカスタマイズ可能な点です。具材やスパイスの量を調整することで、自分好みの味に仕上げることができ、異なる味わいやテクスチャーを楽しむこともできます。また、香辛料とハーブを使った味わい深さがあり、タイ料理の中では比較的ヘルシーな料理としても知られています。特に地元の屋台で食べることで、手軽に楽しむことができ、地元の食文化や雰囲気を味わうことができます。
いくつかのタイの麺料理を紹介しましたが、様々な種類のクイッティアオが存在し、地域それぞれの特色もあり、タイ料理の多様性を体現しています。ぜひ皆さんもタイで好みのクイッティアオを探してみてください。